アメコミ2大巨頭の一つDCコミックスが持つマルチバースの世界観

DCコミックスの世界へようこそ!

この記事では、バットマンやスーパーマンなどのスーパーヒーローを生み出した出版社である、DCについて解説します。

また、DCコミックスをより楽しむために、DCユニバースが持つマルチバースという世界観についても解説します。

アメコミ2大巨頭の一つDCは、85年の歴史を持つ出版社

DCは、スパイダーマンやXーMENを生んだMARVELコミックスと双璧をなす出版社です。

その歴史は古く、最初に設立されたのは1934年。

DCの前身であるナショナル・アライド出版社が始まりでした。

1937年にはバットマンなどを掲載していた「Detective Comics」から名称をとり、ディテクティブコミック社として独立します。

その後、スーパーマンを掲載していた「ActionComics」のナショナル・アライドと合併し、社名をナショナルコミックス社とあらためます。

また、ザ・フラッシュやワンダーウーマンを生んだオールアメリカン出版社とも合併し、様々な変遷をへて現在のDCとなります。

さらにコミックスの出版だけでなく、親会社WB(ワーナー・ブラザース)と組んだ映画製作や、1980年代からはアニメーション製作にも力を入れてきました。

アメリカンコミック界の初期から黄金期を支えた立役者であり、現在も意欲的な作品を世に送り出している出版社です。

アメコミ2大巨頭の一つDCが持つ、DCユニバースという世界観

DCコミックスに登場するヒーローや悪役(ヴィラン)たちが住む世界のことを、「DCユニバース」と言います。

バットマンやスーパーマン、アクアマン、ワンダーウーマンなど、主要なヒーローたちは、実は全て同じ世界の住人なのです。

同じ世界の住人だからこそ、ヒーロー同士が協力して戦うジャスティス・リーグの結成も可能なわけですね。

またこれ以外にも、以下の世界観が存在します。

「DCエクステンディッド・ユニバース」

WB(ワーナー・ブラザース) 製作の映画作品で共有される世界観。

「アローバース」

TVドラマシリーズで共有される世界観。

「DCアニメイテッド・ユニバース」

DCキャラクターが登場する各アニメ作品で共有される世界観。(ただし、一部作品は除く)

「DCアニメイテッド・ムービー・ユニバース」

「 The New 52 」の設定をもとにした各OVA作品で共有される世界観。(OVAのためか、内容も大人むけ)

これらは完全に別物で、独立した世界観であるとされています。

さらにこれらに加え、ストーリー分岐による並行世界「マルチバース」という概念も存在します。(詳しくは後述)

平行世界である「マルチバース」に対し、正史とされるのが「 DCユニバース」です。

アメコミ2大巨頭の一つDCが行う、DCリバースとは?

DC作品内におけるクロスオーバーイベントのことです。

日本の漫画とは違い、アメコミはたとえ同じキャラクターのお話でも、シリーズや物語によって作成しているライター(ストーリー原案)とアーティスト(作画)が違うことがあります。

シリーズごとに、どの旧来からの設定を生かし、どう物語を発展させていくかは、ライターとアーティストの自由であり、また腕の見せ所でもあります。

どんなに意外な展開でも、それが読者に支持され人気が出れば、正史として扱われる可能性が高くなるのです。

そのため必然的にさまざまな設定が増え、ストーリーも細かい部分で分岐していきます。

これがいわゆる、「並行世界 (マルチバース )」です。

よって、長い年月のうちに設定が複雑になってしまい、それぞれの物語やキャラクターの整合性をとるのが難しくなっていきました。

そこでDCでは、過去に何度かクロスオーバーしている平行世界、「マルチバース」 を統一するイベントを行っています。

定期的にキャラクターたちを「リバース(再生)」し、常に時代にあった設定のストーリーを生み出すことで、現在の読者が違和感を感じず楽しめるようにしているのです。

いきなり「この設定はなかった事に」と切り捨てるのではなく、再編自体を一つの物語として作成しているわけですね。

これまでに行われた再編(クロスオーバーイベント)の主な流れは、以下の通りです。

「クライシス・オン・インフィニット・アース」

1985年~1986年に行われたクロスオーバーイベントです。 この物語により、すべてのマルチバースがなくなり単一の地球が誕生します。

ですが多くのキャラクターが設定上死亡してしまい、特にスーパーガールや二代目フラッシュの死はファンに衝撃を与えました。

「インフィニット・クライシス」

2005年~2006年に行われたクロスオーバーイベントです。

「ファイナル・クライシス」

2008年~2009年に行われたクロスオーバーイベントです。

上の二つと合わせて、「クライシス」三部作と呼ばれています。

「フラッシュ・ポイント」

2011年に行われたクロスオーバーイベントです。

フラッシュを主人公として物語が進みますが、結果的にフラッシュがとった行動により、DCユニバースの歴史が改変されてしまいます。

これが、後のThe New 52となります。

「The New 52」

2011年 ~2016年 に行われたクロスオーバーイベントです。

「フラッシュ・ポイント」により生み出された新たな世界とされ、まったく新しい52の物語(シリーズ)としてリランチされました。

「DCリバース」

現在行われている再編イベントです。「The New 52」 と、それ以前の世界観の融合が図られています。

アメコミ2大巨頭の一つDCコミックスの楽しみ方

ここまでの説明を読んで、アメコミの特徴に違和感を覚えた方もいると思います。

日本では一つの漫画作品を作るのはたいてい一人の漫画家ですし、過去の設定と整合性が取れていないのは御法度なので、同じキャラクターの物語にいくつも違う設定があるというのは混乱すると思います。

これは、日本では漫画の著作権が漫画家本人にあるのに対し、アメリカではあくまでも「商品」という扱いで出版社自体が著作権を有しているのが理由です。

つまり、一つのキャラクター(商品)を様々な方法で展開するため、多様なライターとアーティストがオリジナリティを出した作品を制作するわけですね。

ですが、これこそがアメリカンコミックスの醍醐味だと私は思います。

書き手が複数いれば、それだけ「解釈」も様々であり、中には気に入らない設定の物もあるでしょう。

その数ある作品の中から自分だけのお気に入りを見つけても良いですし、意外と自分では想像もつかなかった設定が出てきて、それが逆に楽しめるパターンもよくあります。

つまりアメリカンコミックスは、「多様性」を楽しむ文化なのです。

また、近年では手塚治虫先生の「ブラック・ジャック」が別の漫画家さんの手で復活したり、世代を超えて人気のあるキャラクターを全く新しい物語として読めるようになっています。

おそらく、出版社のこういった手法には賛否両論があると思います。

ですが、「サザエさん」や「ドラえもん」、「ゲゲゲの鬼太郎」などのアニメ作品のように、新しい読者にも受け入れやすいようにその世代に合った形で名作をリブートするのは、次の世代に作品を伝える上で重要な過程です。

また、新しい風が入ってくるのは、古参ファンにとっても嬉しいものではないでしょうか。

長い歴史の中でこの手法を取り続けてきたアメリカンコミックスは、現在でも多くの人々に愛され続けています。

映画などで気になるキャラクターを見つけたら、彼らの活躍をぜひ原作でも読んでみてください。

時にはあまりの違いに驚く事もあるでしょうが、それも一つの味として楽しめると思います。

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