金髪ツインテールとパンクな衣装に身を包み、バットで敵を容赦なく殴り倒すキュートな小悪魔。
2016年公開の映画「スーサイド・スクワッド(Suicide Squad)」で話題となり、日本でも人気のでたキャラクターです。
ここ数年は毎年ハロウィーンの時期に、彼女の仮装をした人たちをよく見かけますね。
そんな彼女ですが、もともとはアメリカの古典ヒーロー「バットマン」に出てくる、悪役(ヴィラン)の一人でした。
しかも最初はアニメに登場したオリジナルキャラクターの、ほんのちょい役だったのをご存知ですか?
アニメシリーズで人気を得たことにより、原作コミックに逆輸入される形で、メインキャラクターへと昇格したのです。
この記事では、そんな彼女の魅力や設定を余すところなくご紹介します!
ハーレイ・クイン(Harley Quinn)のキャラクター設定
ハーレイ・クイン(Harley Quinn)は、ポール・ディニ(ライター)とブルース・ティム(アーティスト)により創造されました。
以下に、公式上メジャーになっている設定を挙げておきます。
- 職業:悪役(ヴィラン)、精神科医
- 家族:父(ニコラス・クインゼル)、母(シャロン・クインゼル)・弟(バリー・クインゼル)他
- 友人:ポイズン・アイビー、キャットウーマン
- 宿敵:バットマン
- 特技:体操(元体操選手)
- 嫌いなもの:魚
彼女の性格を一言で表すなら、「小悪魔」の一言に尽きます。
自由奔放で、目的(特にジョーカー絡み)のためなら、手段は選びません。
相棒のジョーカーだけでなく、時にはバットマンや他のヒーローたち、親友のポイズン・アイビーまで巻き込んで、大騒動を引き起こすのがお決まりのパターンです。
そんな彼女ですが、ただ残虐なだけでなく、他者に対する優しさも持ち合わせています。
特に周りの友人たちや、動物にはその傾向が顕著です。
周囲の人間たちからは「イカレている」と言われるものの、底抜けな明るさと愛嬌、時折見せる優しさが人気の秘密でしょう。
また、その交友関係と実力から、時にはバットマンその人に協力を求められることもあります。
ちなみに家族関係については、最初は両親と弟が1人という設定でしたが、近年になり弟が3人に増えるなど、微妙に改変されています。
また、家族との関係も過去作品ではあまり恵まれていないかのように描かれていましたが、近年では両親の仲は円満でハーレイ・クイン自身も家族に強い愛情を持っていると描写されています。
さらに、精神科医を志した動機についても、父親が犯罪者であるためその心理を理解するためであったり、単純に学生時代から上昇志向が強かったためなど諸説あります。
ハーレイ・クインは、バットマンの宿敵ジョーカーの右腕
ハーレイ・クインは、「バットマン」に登場する悪役(ヴィラン)の一人です。
バットマンが守る街ゴッサムシティを拠点に、悪事の限りを尽くす狂人ジョーカーの側には、たいていハーレイの姿があります。
では何故、彼女はそんな悪人のジョーカーに寄り添っているのでしょうか?
理由は、彼女が恋に落ちてしまったから!
ハーレイ・クインの正体は、ハーリーン・フランシス・クインゼル博士。
もともと彼女は、アーカム・アサイラム(アーカム精神病院)に勤務する、野心ある精神科医でした。
そこで彼女は、担当患者のジョーカーと出会います。
最初はジョーカーを診察しその内容を本にする事で、精神科医としての名声を勝ち取ろうとしていました。
ですがハーレイ・クインはジョーカーを診察していくうちに彼の狂気に魅せられてしまい、遂にはジョーカーの脱走を手助けしてしまいます。
映画「スーサイド・スクワッド」では、その過程がとてもロマンチックに描かれていましたね。
ハーレイ・クインとして生まれ変わった彼女は、それ以来ジョーカーの右腕として、彼の悪事を手助けするようになりました。
まだ駆け出しとは言え、精神科医としての知識を身につけていたハズの彼女が、狂人ジョーカーに取り込まれてしまったのは何故なのでしょうか?
果たしてそれが単純に恋心故なのか、あるいはジョーカーの天才的な洗脳術故なのかは、定かではありません。
ですが、そこには間違いなくハーレイ・クインのジョーカーに対する「狂愛」があるのです。
アニメシリーズでも描かれたこの過程は、コミック「MAD LOVE」で詳しく読むことが出来ます。
ハーレイ・クインとジョーカーとの関係については、別記事で詳しく書いていますので、さらに詳しく知りたい方はそちらもどうぞ。
ハーレイ・クインは作品によってルックスがまるで違う
もともとハーレイ・クインは今のようなギャル風のファッションではなく、中世の道化師のような、赤と黒のピエロ衣装を着ていました。
これは、アニメ「バットマン」に初登場した時のデザインが、それ以降もそのまま定着したためです。
しかも、彼女がその衣装を選んだ理由が、ジョーカーの子供の頃の唯一楽しかった思い出が、「父親にサーカスに連れて行ってもらった事」だからでした。
ジョーカーを喜ばせたくて、この衣装を選んだわけですね。
(ただし、この話は作り話である可能性が高い事を、バットマンに指摘されています)
以来、アニメ版だけでなくコミック版でも、ハーレイ・クインの衣装と言えば赤と黒のピエロ衣装でした。
映画「スーサイド・スクワッド」にも、一瞬ですがピエロ衣装のハーレイ・クインとジョーカーがダンスをするシーンが登場します。
また、ハーレイ・クインが私物ボックスの中からこの衣装を見つけて歓声をあげたりするなど、旧来のイメージを印象づける仕掛けが施されていました。
その後、道化スタイルからピエロの帽子を模した赤と黒のツインテールと、同じく赤と黒を基調にしたゴスロリ系やパンク系ファッションへと変化していきます。
さらにその後、映画でもお馴染みの金髪を両片方ずつピンクと青に染めた髪型になりました。
また、肌の色も以前は健康的な肌色で、顔が白いのはあくまでも道化メイクのためでした。
ですが「The New 52」で設定が改訂され、ジョーカーに化学薬品タンクに突き落とされたことにより、彼と同じ全身真っ白な肌になってしまったのです。
(映画版ではジョーカーへの愛を示すために、自ら飛び込んだことになっていました)
映画「スーサイド・スクワッド」の彼女の外見は、基本的に「The New 52」でのキャラクターデザインを元に作成されたものです。
ハーレイ・クインには大きく分けて二つの設定がある
DCコミックスの歴史は長く、またストーリーも多岐にわたります。
しかも作品ごとにライター(ストーリー原案)が違うため、基本設定は同じでも性格や周辺人物との関係が異なるケースもよくあります。
ハーレイ・クインの登場は比較的新しいとは言え既に誕生から25年以上経っているため、彼女の場合も今まで発表されてきた作品ごとに、少しずつ違う設定が採用されてきました。
物語によっては、まったく違う仲間と組んで別の敵と戦っていたり、ゴッサム以外の街で新しい仕事と友人を作り自由な人生を楽しんでいたり、実はジョーカーとの間に子供がいたり(!)とそのストーリーは様々です。
つまり作品ごとに、あくまでも「ジョーカーの右腕」としてのハーレイ・クインと、ジョーカーと決別し「我が道を行く」ハーレイ・クインがいる訳です。
特に近年の作品では、独立版ハーレイ・クインの設定が多く採用されており、作品の枠を超えて様々なキャラクターが登場する群像劇では、ジョーカーから離れて行動している事が殆どです。
ただし、「我が道を行く」ハーレイ・クイン単独の作品であっても、ところどころにジョーカーが絡んでくるのはお約束のようになっています。
また、近年のDCリバースでは、あらためて「ジョーカーの右腕」としてのハーレイ・クイン作品が発表されるなど、往年の設定の人気もまだまだ衰えていないようです。
おそらく最近ハーレイ・クインを知った方は、映画「スーサイド・スクワッド」で初めて彼女を見たという方が大半だと思います。
この映画のマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインも大変魅力的ですが、原作コミックスのハーレイ・クインもとても可愛いので、是非読んでみて下さい。
最初はそのギャップに驚くと思いますが、映画とは一味違った彼女の物語を楽しめるはずです!
また、今後は映画「バーズ・オブ・プレイ」を始めハーレイ・クインを主人公とした映画三部作が作成される他、彼女の単独テレビシリーズもスタートするなど、どんどん広がりを見せています。
今後もハーレイ・クインの活躍から目が離せませんね!
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