映画「バットマンVSスーパーマン」あらすじとキャラクターから見る光と影のヒーロー

2016年に公開された映画「バットマンVSスーパーマン」。

映画史上初の2大ヒーロー対決とあり、アメコミファンを大いに沸かせた作品です。

悪役レックス・ルーサーも登場し、現代的にアレンジされた世界観と、光と影、神と人間というテーマを軸に繰り広げられるストーリーは、前作「マン・オブ・スティール」に続きDCEUの壮大な世界観を楽しむことができます。

この映画はDCEU(DCエクステンディッド・ユニバース)の第二作目であり、スーパーマンに引き続き今回はバットマンを中心にワンダーウーマンやアクアマンたちも登場し、次回作への布石が敷かれています。

今回は、この映画「バットマンVSスーパーマン」について、劇場公開版より大幅に映像を追加したアルティメット・エディションを元に解説していきたいと思います。

映画「バットマンVSスーパーマン」あらすじとキャラクター

まずは、本作のあらすじと主なキャラクターを紹介したいと思います。

あらすじ

メトロポリスでのスーパーマンとゾッド将軍の戦闘から18ヶ月後。

デイリー・プラネットの記者ロイス・レインは、武装勢力のリーダーに取材を行うためアフリカのナイロミを訪れますが、同行した記者がCIAのスパイだったため、彼女も正体を疑われます。

窮地のロイスを救ったスーパーマンでしたが、武装勢力に紛れていた謎の集団により村は壊滅し、アメリカの公聴会では、「スーパーマンが来た事で村が壊滅し、家族を失った」と生き残りの女性が証言します。

一方インド洋の某所では、ゾッド将軍が設置したチェンジ・エンジンの残骸から特大のクリプトナイトが発見されます。

これを「スーパーマンへの抑止力」として使用するため、大実業家のレックス・ルーサーは、放射性物質であるクリプトナイトの輸入許可を上院議員に提案しますが、却下されてしまいます。

また、核爆弾を違法に国内に持ち込もうとしている謎の犯罪者を追っていたバットマンは、その正体がレックス・ルーサーだと突き止めます。

調査のためレックス主催のチャリティーパーティーに参加したブルース・ウェインは、そこで初めてクラーク・ケントとダイアナ・プリンスに出会います。

三者がお互いの正体を探り合う一方、世間でのスーパーマンの評価はどんどん別れていき、とうとうスーパーマンは公聴会に召喚されます。

悩んだ末に公聴会に出席したスーパーマンでしたが、被害者の一人ウォレス・キーフの車椅子に仕掛けられた爆弾が突如爆発。

スーパーマン以外の人間の殆どが死亡する大惨事となったのでした。

キャラクター

バットマン/ブルース・ウェイン

歴史あるウェイン家の跡取りであり、大企業ウェイン産業の社長です。幼い時に両親を目の前で失った経験から、悪を憎みゴッサム・シティを守護するダークナイトとなりました。ロビンの死と、スーパーマンの戦いに巻き込まれ多くの社員を失った経験から、悪に対抗する手段がより一層過激なものになっています。

スーパーマン/クラーク・ケント

映画「マン・オブ・スティール」でゾッド将軍たちを倒した後、デイリー・プラネットの特派員として働く傍ら、ヒーローとして人命救助を行っています。愛するロイスのピンチには地球の裏側でも駆けつけますが、それをレックスに利用されます。

ワンダーウーマン/ダイアナ・プリンス

映画「ワンダーウーマン」でスティーブ・トレバーを失い、失意のまま人間界で暮らしています。人間界では美術品に造詣が深い富豪を装っており、あちこちのパーティーから招待を受けているようです。レックスが持つ自分の写真を取り返そうとレックス邸に赴きます。

レックス・ルーサーJr.

レックス・コーポの若きリーダーです。父親から受け継いだ会社を発展させていますが、同時に自身の内に秘めた暗い野望を実現させるべく、スーパーマンとバットマンに罠を仕掛けます。

アルフレッド・ペニーワース

バットマンことブルース・ウェインの忠実な執事です。メトロポリスでの惨劇以来、精神的に追い詰められているブルースを心配しています。またなかなか身を固めないブルースに対し、ウェイン家の後継問題について事あるごとに愚痴をこぼします。

ロイス・レイン

スーパーマンことクラーク・ケントの恋人です。前作で知り合ったクラークとは相思相愛ですが、自分を助けるためにクラークが苦しむ事になるのを恐れています。世間のスーパーマンへの誤解を解こうと、アフリカで起きた事件の真相に迫っていきます。

アナトリ・クナイゼフ

レックス子飼いの悪党です。アフリカからアメリカまで、レックスに命じられ、あれこれと悪事を働きます。

ジューン・フィンチ

アメリカ合衆国の上院議員です。スーパーマンの圧倒的な能力がアメリカひいては世界の脅威になると考えていますが、レックスの主張を聞き入れなかったため爆発事故により排除されます。

ウォレス・キーフ

ウェイン産業の元社員です。メトロポリスでの惨劇によって両足を失い、家族にも去られます。全ての元凶はスーパーマンだと信じ抗議活動を行って逮捕されますが、レックスによって保釈されその存在を利用されます。

マーサ・ケント

スーパーマンの地球での母親です。息子の事を常に案じており、世間の非難にさらされ悩むスーパーマンに、「皆のヒーローになりなさい。でもならなくたっていい。あなたはこの世界になんの借りもないんだから」と慰めます。

終盤では彼女が窮地に陥ったことで、スーパーマンとバットマンが和解するきっかけにもなります。

マーシー・グレイブス

レックスの秘書です。黒髪のボブカットとスレンダーなモデル体型をした美女でしたが、レックスに利用され亡くなります。

ペリー・ホワイト

デイリー・プラネットの編集長で、クラークとロイスの上司です。クラークの正体に恐らく気付いていながらも、あくまでも彼を一人の社員として扱います。前作「マン・オブ・スティール」から登場しており、仕事には厳しいですが状況判断に優れ、常に部下を気遣うなど頼れる上司です。

ドゥームズデイ(ゾッド将軍)

前作でスーパーマンに倒されたゾッド将軍が、レックスにより復活させられた姿です。レックスの遺伝子が取り込まれており、あらゆる攻撃を吸収し、スーパーマンですら太刀打ち出来ない怪力を持つ化物として描かれています。

余談ですが、ドゥームズデイとは英語で「最後の審判」の意味です。

フラッシュ/バリー・アレン

まだフラッシュの存在を知らないはずのバットマンの夢の中に現れます。「ロイス・レインが鍵だ!」、「君は正しかった、奴を恐れろ!」、「僕たちを探すんだ!」と謎の警告を残します。

なおこの夢の直前にバットマンは、スーパーマンによって荒廃させられた世界でスーパーマンと戦う夢を見ており、これは恐らく並行世界で起きた現実の出来事であることを示唆しています。

 

またこの他にも、台詞はありませんがアクアマン、サイボーグがそれぞれ資料映像として登場しており、次回作への伏線となっています。

映画「バットマンVSスーパーマン」最初のお互いの印象は最悪!

そもそもの始まりは、前作「マン・オブ・スティール」でスーパーマンがゾッド将軍と死闘を繰り広げた事に遡ります。

この時スーパーマンは、地球の危機を守るためゾッド将軍とその部下たちを倒すべく懸命に戦いますが、その舞台がメトロポリスのど真ん中であった事が悲劇の始まりでした。

バットマンことブルース・ウェインが社長を務めるウェイン産業は大企業であり、ゴッサム以外にも各地にオフィスがある事がわかっています。

そのひとつがメトロポリスにも存在したのです。

社員の危機に際し現地へと急行したブルースは、そこで圧倒的な力を持つスーパーマンとゾッド将軍の戦いを目の当たりにします。

次々と破壊されていく街、そして夥しい数の死傷者が出るメトロポリス。

スーパーマンの戦いにより引き起こされたあまりにも巨大な災厄に、日頃バットマンとして人々を救っているブルースと言えども対処には限りがありました。

唯一救えたのは、自社で働く社員と、母親がウェイン産業で働いていたらしい女の子のみです。

この時に感じた己の無力感とスーパーマンへの怒りから、その後のバットマンとしての行動にも変化が起こり、アルフレッドにも「手段が冷酷になった」と指摘を受けています。

一方のスーパーマンも、ヒーロー活動を続ける中厳しくなる自身への風当たりに悩みながらも、バットマンの存在に疑問を持ち始めます。

スーパーマンにしてみれば、ゴッサムだけを守護し、しかも人々に恐怖を与える事で抑圧するバットマンのやり方はどう考えても「善」には見えません。

中盤でブルースがレックス邸で怪しい動きを見せていた事も、彼がバットマンだと直感的に見抜いたスーパーマンには不審に映ります。

さらに、後述するレックス・ルーサーの奸計により、バットマンが悪人たちを容赦なく独断で誅殺していると誤解します。(正確にはバットマンは「不殺の誓い」を立てているため殺人は行わないのですが、スーパーマンはその事を知りません)

おまけにゴッサム市警もバットマンに加担しているらしいと察し、実情を知らないスーパーマンは、ますますバットマンへの不信感を高めていきます。

こうして両者は、お互いを誤解したまま見事にレックス・ルーサーに踊らされ、物語後半で悲劇の対決へと望むのでした。

余談ですが、時系列的にこのストーリーはジョーカーがアーカム・アサイラムへ収容された後の話らしく、この映画のラストと映画「ジャスティス・リーグ」のELから見ても、おそらくこのストーリーの直後にジョーカーが脱走し、映画「スーサイド・スクワッド」へと繋がっていくようです。

映画「バットマンVSスーパーマン」現代風にアレンジされた悪役レックス・ルーサー

レックス・ルーサーは、スーパーマンの初期作品から登場する伝統的な悪役(ヴィラン)です。

長い歴史を経て、このキャラクターは何度も斬新な改変を受けてきましたが、さらにこの映画ではより現代的なキャラクターへとアレンジが加えられています。

本作のレックス・ルーサーJr.は、父親から引き継いだレックス・コーポという大企業を経営する実業家です。

頭が良く、革新的で、人あたりの良い若きリーダーという、現代人が求める経営者像を見事に体現しています。

オフィスもまるでGoogleやAppleのような様子で、社内にあるコートでレックス自身が社員に混じってバスケットボールをプレイしたりしています。

ただしレックスはいかにも今時の若い経営者らしく、気さくで誰にでも平等に接するリーダーを装っていますが、実のところ内面では誰も信用していません。

目的のためには側近や社員を平気で利用しますし、見殺しにもします。

仕草にもサイコパス的な様子が見てとれ、俳優のジェシー・アイゼンバーグはそんなレックスを見事に演じて見せました。

(ちなみに、ジェシー・アイゼンバーグは映画「ソーシャル・ネットワーク」で、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグを演じた事で話題になりました)

彼が劇中で行ったスピーチでも、その卓越した知性と裏腹に不安定な心理が表現されています。

「神につくか人間につくかを迫られプロメテウスは人間を選んだ。」

「そしてプロメテウスは神の雷に焼かれる。神は不公平だ。」

プロメテウスとは、人類に火(知恵と技術)を与えた神の名です。

レックスはこのプロメテウスを引き合いに出し、 「(自分には)知識はあっても力はない」と口走ります。

レックスには、自分が人類にとっての救済者であるという自負があり、そんな自分が頭脳では誰よりも秀でていても、非力である事が我慢ならないのです。

それが強いパワーを持つスーパーマンや、同じ人間でありながら常人離れした戦闘力を持つバットマンを敵視する動機となっています。

映画「ジャスティス・リーグ」のELに登場するボディガードたちや、本作に登場する秘書のマーシーなど、自分の周囲に背の高い美女を置きたがるのも、自身の背が低いことによるコンプレックスの裏返しかもしれません。

(ちなみにマーシーは、過去のアニメ作品でもレックスの秘書兼ボディーガードとして登場していたキャラクターです)

また、ずば抜けた頭脳を持っており他者を見下しつつも、反面父親から抑圧的な教育を受けてきたことにより、父親の死後も彼のこだわりだったインテリアを変えることが出来ないなど、未だ父親の影響から抜け出せていない一面も見られます。

映画「バットマンVSスーパーマン」レックスが周到に張り巡らせた罠(ドゥームズデイ)の全貌

劇中でレックス・ルーサーは巧妙に作戦を練り、スーパーマンとバットマンがお互いを潰し合うように仕向けます。

そのために二重にも三重にも作戦を用意しており、終盤までスーパーマンとバットマンは自分たちが罠にかかっているとは気づかないのです。

ここでは、ルーサーがとった作戦を時系列順に纏めてみたいと思います。

①ロイスが向かったアフリカの村に部下たちを戦闘員として紛れ込ませ、スーパーマン到着に合わせて村人を虐殺し、スーパーマンの仕業に見せかける。

②ゴッサムに核爆弾を密輸入しようとしている「ホワイト・ポーチュギー(白いポルトガル人)」の噂を流し、バットマンを誘導。

③クリプトナイトの輸入許可を上院議員に求めると同時に、政府への協力への見返りにゾッド将軍の遺体を使った実験を行う許可を得る。(真の狙いはゾッド将軍の指紋を採取し、宇宙船のコントロール権限を得ること)

④わざとバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンが顔を合わせるよう仕向け、お互いに不信感を持たせる。

⑤スーパーマンに、バットマンが独断で悪人を誅殺していると思い込ませる。

⑥ウォレス・キーフを使い、世論を「反スーパーマン」になるよう仕向け、宇宙船でゾッド将軍をドゥームズデイとして復活させる。

⑦クリプトナイトをバットマンに奪わせ、スーパーマンに対抗出来るよう仕向ける。

⑧ロイス・レインを誘拐し、スーパーマンをおびき出す。

⑨マーサ・ケントを誘拐し、スーパーマンをバットマンと戦うよう仕向ける。

⑩スーパーマンとバットマン激突!

そもそも、レックスはバットマンをはじめワンダーウーマンやアクアマンと言ったメタヒューマンの情報はおろか、次回作で登場するマザーボックスについても情報収集を行っていました。

バットマンの正体がブルース・ウェインであり、メトロポリスの惨事に恨みを持っていることや、ジョーカーに殺害されたロビンの事も知っていて、全てを仕組んだ事が示唆されています。

あらゆる情報を集めたうえで今回の作戦を練ったわけですから、さすがルーサーですね・・・。

また、バットマンに目をつけられた悪役の例に漏れず、最後にルーサーはメトロポリスの留置所からゴッサムのアーカム・アサイラムへと移送されます。(これを聞いた時は、流石のルーサーも顔が引きつっていました)

ですが映画「ジャスティス・リーグ」ではアッサリと替え玉を置いて抜け出し、優雅に豪華クルーザーで次の作戦を練っています(笑)

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