【スーパーマン&バットマン】対照的な2人のヒーローの共通点

DCユニバースを代表するヒーローであるスーパーマンとバットマン。

彼らは共にアメリカンコミックのゴールデンエイジと呼ばれる1930年代に誕生しました。

近年は映画DCEU(DCエクステンディッド・ユニバース)で、両者の初の対決が描かれるなど長い歴史を経て今なお進化を続けています。

今回は、そんな2大ヒーローに見られる相違点と共通点について見てみたいと思います。

【スーパーマン&バットマン】相反する光と影のヒーロー

まずは、スーパーマンとバットマンの主な相違点から見ていきたいと思います。

  • 異星人と地球人
  • 天才型と努力型
  • 人間好きと人間嫌い
  • 理想主義者と現実主義者
  • 一般人と富裕者

まず、スーパーマンは言わずと知れたクリプトン星人の生き残りです。

スーパーマン(本名:カル=エル)がまだ生まれて間もない頃、クリプトン星の滅亡から彼を救うため、スーパーマンの両親はまだ幼いスーパーマンを宇宙に脱出させます。

彼は生まれつき、飛行能力、強靭な肉体とパワー、鋭敏な感覚、ヒートビジョンなど地球人にはない様々な能力を持っています。

対してバットマンは、特殊能力などを持たない普通の人間(地球人)です。

彼の戦闘能力は冴え渡る頭脳と、厳しいトレーニングによって培った身体能力、そして自らの財力を以て作り上げた様々な道具類(ガジェット)、さらに執事のアルフレッドをはじめバットファミリーと呼ばれる仲間たちの助力により成り立っています。

つまり、地球では環境的要因も含め己のみで最強を誇るスーパーマンに対し、バットマンは多様な要素を己に付加することで、悪に対抗しているのです。

これは、それぞれが持つ内面のアンチテーゼとしても表現されています。

人好きのする素朴な性格のスーパーマンは、その気になれば誰の力を借りなくとも自身の肉体一つで大概の敵と戦えます。

唯一の弱点は、クリプトナイトと呼ばれるクリプトン人の力を無力化する鉱石ですが、それを使われることを除けば、彼に対抗できる者は地球上にはまず存在しません。

それに対し、どちらかと言うと他人とは距離をとり、自分ひとりで行動するのが性に合うバットマンは、相手が同じ人間ならまだしも、驚異的な能力を持つ宇宙人などが相手の場合は歯が立たない事が多いのです。

映画「バットマンVSスーパーマン」では、このハンデを埋めるべく、バットマンが様々な対策を講じます。

上記のクリプトナイトを始め、超高域周波数を発する超音波装置や自動装銃、常に纏っているバットスーツよりもより頑強なアーマードスーツなどを用意し、対スーパーマン戦のためにありとあらゆる作戦を準備します。

ここまでやった上で、さらにスーパーマンが自身の母親が危険な状態にある事で精神的に追い詰められて初めて、やっと対等に戦い相手を追い詰める事に成功するのです。

また二人の違いは、それぞれが正義を成す上での過程や手段にも現れています。

スーパーマンの場合は、彼が生まれ育った環境から、基本的に人間が善であるという信念のもと動いています。

本物の両親が死んで地球にたどり着いた後も、スーパーマンはカンザス州で彼を保護したケント夫妻に実の子供同様に育てられます。

彼は自身の特殊性に悩みつつも、学校を卒業し、一般企業で働き、恋人を作り結婚を考えるという、至って普通の人生を歩もうと努力します。

対してバットマンは、子供の頃に目の前で両親が殺され、そのショックと己の無力感に打ちのめされた結果、常に心に暗い闇を抱えながら生きてきました。

親代わりのアルフレッドが側にいるとは言っても、彼は大財閥の御曹司であり、どうしても周囲は彼を「普通の子供」としては見てくれなかったはずです。

映画「ダークナイト・ライジング」では、ウェイン産業を乗っ取ろうとする重役との確執が描かれていましたが、自身のトラウマを抱えながら人並みでない環境で育ちつつ、弱肉強食のビジネス世界で会社を守らなければというプレッシャーもあったでしょう。

同じスーパーヒーローでありながら全く違う人生を歩んできた2人が、共通の目的のため己の信念を貫こうとすれば、そこに衝突が起きるのは当然です。

映画「バットマンVSスーパーマン」だけでなく、コミックスにおいても何度も描かれてきた両者の軋轢は、どちらの言い分もわかるが故に、常に読者に問いを投げかけ続けます。

果たして、正しいのはどちらなのか?

【スーパーマン&バットマン】対照的なヒーロー達の共通点

次は、スーパーマンとバットマンが持つ共通点です。

両者が世界的なヒーローであるのは勿論ですが、実は設定にもいくつか共通点が見られます。

  • 両親を幼い時に亡くしている
  • 心に深いトラウマを抱えている
  • 息子がいる
  • 正義を愛する心を持っている

まずは、両親に関する点です。

スーパーマンは母星の消滅により、バットマンは強盗事件によりそれぞれ両親を亡くしています。

スーパーマンの場合、両親と別れたのはまだ物心が付く前ですが、バットマンの場合は目の前で両親が殺されるという悲劇に遭遇します。

スーパーマンも、自分のルーツが判らないまま成長する事が、彼の人生に大きな影響を与えたのは間違いないでしょう。

ちたみに映画「バットマンVSスーパーマン」では、お互いの母親(義母)の名前がマーサであるという共通点から、急激に2人の距離が近くなります。

映画でのこの演出は、実に上手く作ってあるなと思いました。

次に、これはコミックス版の話になりますが、二人にはそれぞれ息子がいます。

スーパーマンとロイス・レインの間には、ジョナサン・サミュエル・ケントが、バットマンとタリア・アル・グールとの間には、ダミアン・ウェインという息子がいます。

二人は「スーパーサンズ」というシリーズで共演しており、スーパーヒーローの子供ならではの悩みや、性格の違う2人が力を併せて問題に立ち向かう様子が描かれています。

つまりスーパーマンとバットマンは、同じ年頃の子供を持つパパ友でもあるわけです(笑)

ちなみにバットマンは、キャットウーマン(セリーナ・カイル)との間にヘレナという娘が生まれ、この子が成長して「ハントレス」というヒーローになるストーリーも存在します。

最後に、性格は違えど二人には、正義を成そうとする志がある事です。

映画「マン・オブ・スティール」に登場したスーパーマンの父親ジョー・エルと、敵役であるゾッド将軍のように、たとえ目的は同じでも敵対し最後まで相容れないというのはよくあるケースです。

ですがどんなに意見が合わなくても、最後には「人々を守りたい」という共通の目的のために力を合わせる事ができる。

これが単独のヒーロー物語ではなく、仲間達と共に脅威に立ち向かうジャスティス・リーグという世界観において、ワンダーウーマンを含め彼らが「トリニティ」と呼ばれる所以だと思います。

【スーパーマン&バットマン】映画を通して伝えられる人間関係

ところで、ヒーローたちが戦っているのは何も宇宙からの侵略者や、街に災いをもたらす狂人たちだけではありません。

時には守るべき人類や市民たち、もしくは仲間と衝突し、人間不信に陥ることもあります。

スーパーマンは自分の生きる道を示してくれた父親を亡くし、バットマンは大事な家族であり仲間でもあったロビンを喪います。

特にバットマンの場合、ヒーローとしてのキャリアが長いだけに、ヒーローとしての苦悩はスーパーマンよりも長く味わっているはずです。

それでも彼がバットマンとしての活動を辞めないのは何故か?

それは作中でも度々言及されているように、バットマンにとっては、悪人を倒すことが一種のセラピーになっているからです。

もちろん彼の中には、悪人たちからゴッサム・シティを守りたいという強い思いもあるでしょう。

ですが、その悪に対する怒りがどこから湧いてくるかと言えば、原点は幼少期のトラウマに帰結します。

そう考えると、単純に自身の能力を人々のために役立てたいと考えるスーパーマンに対し、バットマンの行動は利己的とも取れるかもしれません。

ですが、スーパーマンにしてみても、「何故ヒーローをやるのか?」と問われれば、それは彼が自身の存在に悩みに悩みぬいた結果だと言えます。

スーパーマンは地球人から見ればまさしく異星人です。

ゆえに彼は、常に自身の居場所を探し続けます。

映画「マン・オブ・スティール」でも描かれていたとおり、スーパーマンが地球で暮らしていくためには、周囲にそれを受け入れてもらう必要があるのです。

クラーク・ケントを育てた父親は言います。

「人は、自分とは違う存在を恐れるから」

また、多くのヒーローがそうであるように、スーパーマンとバットマンも二面性を持っています。

スーパーマンは人々のヒーローとして活躍しつつも、私生活ではデイリー・プラネット社で新聞記者として働き、恋人のロイスと結ばれ、母親を大事にし、至って普通の「地球人」として人生を送ろうとします。

一方バットマンは、裏ではゴッサムの平和を守るためバットマンとして悪人退治をしつつ、 表では裕福でプレイボーイな独身貴族を装います。

劇中では20代から約20年間バットマンとして活動してきたと言っているので、おそらく本作のバットマンは40代半ばくらいのはずです。

映画「バットマンVSスーパーマン」「ジャスティス・リーグ」において、アルフレッドはブルースの親代わりとして度々、後継についてやダイアナとの仲に言及するなどしています。

まるでなかなか身を固めようとしない息子に手を焼く父親のようですが、それも当然かもしれません。

ただしバットマンの場合、執事のアルフレッドにイヤミを言われつつも決まった相手を作らないのは、血の繋がった家族を失ったトラウマを未だ克服できていないからとも考えられます。

(膨大なコミック作品の中にはバットマンが結婚している話もありますが、その相手がたいてい悪役のタリア・アル・グールかセリーナ・カイルである点は、彼の持つトラウマと無関係ではないはずです)

単なる超人的な活躍をするヒーローとしてだけでなく、彼らの人間としての側面を映画「マン・オブ・スティール」と「バットマンVSスーパーマン」は見事に表現してくれたと思います。

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