トム・キング版「バットマン」リバースコミックス内容まとめ

2016年から始まったイベント「DCリバース」から、新たに始まったバットマンシリーズ。

ライター(原作者)にトム・キングを起用したこのシリーズは、アメリカ本国でも非常に高い評価を得ており、現在も圧倒的な人気を誇っています。

この作品ではただ敵と戦うと言うよりも、むしろバットマンをはじめとした各キャラクター達の、自分自身の内面との闘いにフォーカスされている点が特徴です。

この記事では、そんなDCリバース「バットマン」の生みの親であるトム・キングおよび、本作品のこれまでの経緯と魅力についてご紹介します!

DC リバース「バットマン」のライター、トム・キングとは?

トム・キングは、アメリカで主にコミック作品のライターとして活躍している作家です。

バットマンシリーズと並行して多数の作品を受け持っており、その重厚感あるストーリーで多くのファンを獲得しています。

(その証拠に、2018年と2019年に優れた作家に贈られるアイズナー賞を2年連続で受賞しています!)

これまでDCおよびMARVELで様々な作品に関わってきたトム・キングですが、面白いのは彼の持つ異色の経歴です。

なんと、トム・キングは元CIAの職員であり、9.11事件後に創設されたテロ対策センターで7年ものあいだ働いていたのです!

その経験を活かした彼の作るストーリーは、犯罪における徹底したリアリティの追求と、非常に緻密に練られた設定と表現力に定評があります。

ちなみにトム・キングは若い頃はDCとMARVELの両方でインターンとして働いており、テロ対策センターに移ったのはその後からです。

長年両社でライターとして活躍していましたが、2015年以降はDCと独占契約を結んでいます。

余談ですがトム・キングの母親は映画業界で働いていたそうで、幼い頃からそれを見て育った事が彼の才能に影響を与えたのかもしれませんね。

次に、そんなトム・キングの代表作を楽しむことができる有名な作品をいくつかご紹介します!

彼の代表作は、リバース版バットマンを除けば、それ以前に作成された「ザ・シェリフ・オブ・バビロン」や「グレイソン」、近年では「ミスターミラクル」、「ヒーローズ・イン・クライシス」などが挙げられます。

「ザ・シェリフ・オブ・バビロン」は、2004年にイラクに赴任していたトム・キング自身の経験が元になっています。

物語は、元サンディエゴ警察官で軍事コンサルタントの主人公が、イラクで起きた警察官殺害事件を解決しようとします。

「グレイソン」はバットマンでおなじみ、初代ロビンであり現在はナイトウィングとして活躍するディック・グレイソンが主人公の単独シリーズです。

バットファミリーを離れ、「スパイラル」という謎の組織で働くスパイとなったグレイソンの活躍を見ることができます。

「ミスターミラクル」は、1971年に初登場した歴史あるヒーローです。

彼はニュージェネシスの一員でありながら和平交渉のため幼少時にダークサイドに引き渡され、アポカリプスで壮絶な人生を送ります。

不遇な人生にもめげず成長したミスターミラクルは高い戦闘力と知力を兼ね備えていますが、平和を愛する非常に穏やかな性格の持ち主です。

また、「脱獄の名人」とも言われており、後述する「I am」シリーズではジョーカーの脱獄を防ぐための特殊な監獄をデザインした人物としても名前が登場しています。

「ヒーローズ・イン・クライシス」は、とある施設を舞台にしたヒーローたちによる群像劇です。

スーパーヒーロー専用のリハビリセンター「サンクチュアリ」で起こった患者の大量虐殺事件。

容疑者として上がったのは、たった二人の生存者であるハーレイ・クインとブースター・ゴールド!

この事件を解決するため、スーパーマン・バットマン・ワンダーウーマンが捜査を開始しますが・・・?

ヒーローたちの持つPTSD(精神的トラウマ)を治療する施設という舞台設定もさることながら、正義の名のもとに用いられる「暴力」について深く考えさせられる作品です。

主要キャラクターだけでなくおなじみのDCキャラクター達が大勢登場し、各キャラクターの内面を深く掘り下げるトム・キングならではのストーリーテリングを楽しむことができます。

DC リバース「バットマン」の世界観

このシリーズは、一応ストーリーとしては「The New 52」から続いていることになっています。

それと言うのも、「DC REBIRTH」が前回の「The New 52」を元に、それ以前のストーリーとの整合性を取ろうとするイベントだからです。

ですが個人的には、「The New 52」を読んでいなくても多分そんなに問題はないと思います。

何故なら本シリーズのバットマンは、単に敵と戦うと言うよりも、一人の人間として人生を考える事が多くなっているからです。

特にこれまでずっと気になっていたキャットウーマンとの関係について彼自身の中でハッキリ答えを出し、フラッシュポイントにより再会を果たした父親との会話などを通して自分の人生を見つめなおしていきます。

つまり、一応続き物とは言っても前作までとはストーリーの方向性がだいぶ違うため、むしろトム・キングの世界観にどっぷり漬かりたければ「DC REBIRTH」から読む事をおススメします。

DC リバース「バットマン」コミックス各巻ストーリーの流れ

現在発売されているトム・キング版の「バットマン」は、大きく分けて次のような構成になっています。

本シリーズの他にいくつかのサイドストーリーが存在し、そちらも併せて読んだ方が理解がスムーズになります。

各構成の流れを簡単に纏めてみましたので、さっそく見ていきましょう!

1巻~3巻:’I am~’ シリーズ

左から順に、「 バットマン:アイ・アム・ゴッサム 」・「バットマン:アイ・アム・スーサイド」・「バットマン:アイ・アム・ベイン 」となっています。

ゴッサムシティに突如現れた二人組のヒーロー、ゴッサムとゴッサムガール。

スーパーマンにも等しい彼らの実力を認め頼もしく思うバットマンでしたが、彼らにはある秘密が・・・。

二人の出生の秘密が明らかになるにつれ、バットマンはある悲劇により精神に異常をきたしたゴッサムガールを救うため、ある男のアジトに潜入する事を決意します。

その男とは、かつてバットマンの背骨をへし折り再起不能にまで追いやった男、宿敵ベイン!

ベインの待つサンタ・プリスカの要塞に潜入するべく、バットマンが考えた秘策とは!?

この三冊を通して、バットマンと宿敵ベインの人生の対比および、バットマンとキャットウーマンの深い心の交流を読むことが出来ます。

バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン 

アメリカ本国では3巻と4巻の間に発売された本作は、フラッシュポイント(*)により引き起こされた別次元のストーリーが絡んできます。

*フラッシュが過去に殺害された自身の母親を救おうとした事から時空の歪みが発生し、全く別次元の世界が発生してしまった事件。

フラッシュがバットマンと時空を超えてたどり着いた先は、別世界にあるもう一つのバットケイブでした。

アマゾン族とアトランティス族が大戦争を繰り広げるその世界で、命を狙われるもう一人のバットマンの正体とは?

さらにDCファンなら誰もが知る黄色いスマイルマークも登場し、マルチバースの大いなる謎に迫っていきます。

4巻:バットマン:ウォー・オブ・ジョーク&リドル

話は少し戻り、ベインとの闘い以前に起こった「ウォー・オブ・ジョーク&リドル 」事件について語られます。

セリーナ(キャットウーマン)との結婚を決意したブルース(バットマン)が、彼女に対して行う懺悔。

バットマンの宿敵であるジョーカーとリドラーの2大悪役が引き起こした、ゴッサム中の悪役達を巻き込んだ壮絶な事件の裏で起きていた真相とは?

そしてその時バットマンが取った行動とは・・・。

事件の詳細と結末がバットマンの視点を通して語られます。

5巻~7巻:’The Wedding’シリーズ

改めてバットマンの求婚を受け入れたキャットウーマン。

結婚の前にキャットウーマンにかけられた容疑を晴らすため二人の向かった先は、砂漠地帯の某所に存在する「カディム」。

だがそこは、かつてバットマンが愛した女性でありダミアンの母親でもあるタリア・アル・グール率いる「リーグ・オブ・アサシン」の本拠地だった!

相対するタリアとキャットウーマン!

他にもスーパーマンとの友情や、ワンダーウーマンとの関係、ポイズン・アイビーの襲撃、さらにジョーカーによる妨害など、次から次へと訪れる試練を二人は乗り超えられるのか!?

ヒーローと悪役(ヴィラン)、バットマンとキャットウーマン、ブルース・ウェインとセリーナ・カイルとして、二人の出した「答え」を是非とも見届けてください。

Batman/Catwoman: The Wedding Album – The Deluxe Edition 

結婚イベントを記念して創刊された特別版です。

内容はこれまでのストーリーの総集編ですので、本編を読んでいれば読む必要はありません。

(オマケ程度にちょっとした設定資料や、この本でしか見られない扉絵などが収録されています)

Batman: Preludes to the Wedding 

こちらも上記の本と同時発売された、バットマンとキャットウーマンの結婚式のサイドストーリーです。

ただしライターはトム・キングではなくTim Seeleyという方で、絵はそれぞれ別アーテイストが手掛ける短編5話が収録されています。

いよいよ挙式を控えたバットマンとキャットウーマン。

ですが、そんな宿敵バットマンのビッグイベントを悪役達が黙って見ている筈もなく、5人の悪役達がそれぞれ妨害しようと画策します。

それを阻止しようとするのは、バットファミリーの面々および、新婦キャットウーマンの大親友ハーレイ・クイン!

特に4代目ロビンでありバットマンの実子であるダミアン・ウェインと、ダミアンの母方の祖父にあたるラーズ・アル・グールの戦いは必見です!

そしてハーレイ・クインが相手をするのは、言わずと知れたあの男・・・!

DC リバース「バットマン」邦訳版コミックス最新刊発売決定!

既にアメリカでは本シリーズは9巻まで発売されており、10巻と11巻も予約が始まっていますが、日本ではまだ4巻までしか邦訳版が発売されていません。

だいぶ発刊スピードが遅い気がするのですが、邦訳版は英語から日本語への翻訳や再印刷などで時間が掛かるため仕方ありませんね。

そんな待ちに待った新刊が小学館集英社プロダクションより8月22日に発売されます!

発売されるのは、シリーズ5巻目にあたる「バットマン:ルール・オブ・エンゲージメント」です。

とうとうバットマンとキャットウーマンの結婚にまつわるストーリーが、日本でも始動するというわけですね!

すでにAmazonでは予約が始まっていますので、この機会に二人のラブストーリーを読んでみたいという方は要チェックです。

その前に、是非このDC史上稀に見るビッグイベントを楽しむためにも、1~4巻までのストーリーも読んでおく事をお勧めします!

この3冊はマストです!

フラッシュザボタンは最悪読まなくても大丈夫ですが、読んでおくとよりブルースの心境が理解出来ます。

4巻は何故かこれだけ原書と表紙の絵が違います。

元の表紙だとジョーカーが目立ち過ぎてリドラーの存在が霞むからでしょうか?(笑)

ストーリーの区切りとして、今後おそらく7巻までは確実に発売されると思いますが、個人的には「Batman: Preludes to the Wedding」も是非、翻訳版を発売して欲しいですね!

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