ハーレイ・クインの恋人と言えばジョーカーが有名ですが、実は近年の原作コミックスでは状況が変わってきています。
と言うのも、ハーレイ・クインがヒーロー路線に行ったことにより、たいていのストーリーで悪役(ヴィラン)のジョーカーとは破局していることが前提となっているためです。
特に「THE NEW 52」から始まった「ハーレイ・クイン」シリーズは、ジョーカーと別れたハーレイ・クインがゴッサムシティを出て、コニーアイランドで新たな生活をスタートさせるところから始まります。
新しい仲間、新しい仕事、そして新しい恋の予感に大忙しのハーレイ・クイン!
そんなフリー状態のハーレイ・クインの新恋人候補の一人が、今回ご紹介するレッドツールです。
このレッドツールが一体何者なのか、皆さん気になりませんか?
この記事では、超マイナーキャラにも関わらず、原作コミックスでは何気に大活躍しているレッドツールについてご紹介します。
レッドツールのモデルはあの赤いスーツの男?
頭からつま先まで全身を覆う赤と黒の全身スーツに身を包み、背中には2振りの日本刀。
おちゃらけた態度で相手を煽りつつも、圧倒的な戦闘力でいとも簡単に敵を倒しまくる赤い傭兵。
はい、そうです。
レッドツールのモデルは、ライアン・レイノルズ主演で大ヒットした映画「デッドプール」の主人公デッドプールです!
とは言っても、デッドプール自体がDCの有名悪役(スーパーヴィラン)である「デスストローク」がモデルですので、ある意味パクリのパクリが一周回って戻ってきたという感じですが・・・。
(ちなみにカラーリングは赤黒の部分が逆転しています)
どうしてここまで似ているのかと言うと、「デッドプール」のアーティストであるロブ・ライフェルドは、デスストロークが悪役として登場する「ティーンタイタンズ」の大ファンなのだとか。
デッドプールの本名(ウェイド・ウィルソン)がデスストロークの本名(スレイド・ウィルソン)と似ているのは、実は二人が遠い親戚だからかも・・・なんて事を公式にも発言しています。
堂々と言っちゃうあたり、流石ですね(笑)
ただし、本家本元のデスストロークはかなりクールなキャラクターなので、似ているのはあくまでも見た目だけです。
またデッドプールの特徴の一つに独特の吹き出しがありますが、レッドツールはその名の通り吹き出しがノコギリや螺子などのツール(道具)になっています。
ちなみに、デスストロークも過去に単独映画の予定が発表され、DCEUでも映画「ジャスティス・リーグ」のEL(エンディングロール)で少しだけ登場しています。
密かにアーカム・アサイラムを脱出していたレックス・ルーサーに「チームを組まないか?」と持ち掛けられ、今後の登場に期待を持っていたのですが、最近の様子だとそれも難しいかもしれません・・・。
個人的にはジョー・マンガニエロ演じるデスストロークのビジュアルがイメージに合っていてめちゃくちゃカッコよかったので、是非いつかこの俳優さん主演で映画化して欲しいです!
余談ですが、赤と黒の衣装がお揃いのためか、それともサイコでクレイジーなキャラクター性が似ているからなのか分かりませんが、海外では元祖デッドプールとハーレイ・クインのカップリングも人気があります。
(ためしにdeadpool harley でGoogle検索すると、海外ファンの作品がたくさん出てきます)
DCとMARVELの垣根を越えたビッグカップルですが、ちょっと自由すぎる気もしますね(笑)
ひょっとすると、レッドツールがあまりにもデッドプールを意識したキャラクターなのも、原作者であるアマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティ夫妻の「ジョーカーよりこっちのがよくない?」という嗜好の表れかもしれません。
ちなみに、同じく赤いマスクを被ったアンチヒーローに「レッドフード」というのもいます。
ややこしいですが、こちらは元バットマンのサイドキックであるロビン(ジェイソン・トッド)が正体なのでお間違いなきよう(笑)
実はめちゃくちゃ強い!レッドツールの正体とは!?
!!ATTENTION!!
ここからは完全なネタバレになってしまうので、気になる方は読み飛ばす事をお勧めします。
準備は良いですか?
まずはレッドツールの簡単なプロフィールをご紹介します。
- 本名:ウェイン・ウィルキンス
- 年齢:おそらく40代~50代
- 出身地:ゴッサムシティ
- 出生時期:22世紀
- 特技:ピアノ・ベース演奏、動画編集など
名前を見ても分かるように、思いっきりデッドプールを意識したネーミングですよね(笑)
年齢は推測にすぎませんが、所々で写る素顔を見るに実は中身はだいぶオジサンなので、20代のハーレイ・クインとだと結構な年の差がありそうです。
(まあジョーカーとハーレイ・クインもだいぶ年の差のハズですが・・・)
また出生時期を見て頂くとわかるように、実はレッドツールの正体は未来人です。
詳しくは「Harley Quinn Vol. 5: Vote Harley(未翻訳)」に収録されているストーリーで語られていますが、実はレッドツールはハーレイ・クイン殺害のために未来から送り込まれてきた暗殺者である事が判明します。
はるか未来のゴッサムシティではバットマンが英雄として神聖視されている一方で、彼を殺害したとされるハーレイ・クインは悪魔のように忌み嫌われています。
この歴史的事実を改変するため、ゴッサムで開催される格闘トーナメントの優勝者には過去への時間旅行が許可され、同時にバットマンの命を救うべくハーレイ・クイン暗殺の任務が課せられるというのです。
ですがレッドツールは、時間を超えてやってきたこの時代が自分たちの未来とはまったく関係のない時間軸であり、この時代の歴史を変えても未来は改変されない事実を突き止めます。
目的を失いこの時代の人間として普通に定職に就いていたレッドツールでしたが、ある日とある事件に巻き込まれます。
それこそが、「ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ」に収録されていた「ロマンスの疫病神」事件であり、この事が切欠でレッドツールはハーレイ・クインに惚れこんでしまうのです。
正直言って、こんな初期のエピソードから伏線が敷かれていたキャラだなんて思ってもみませんでした!
レッドツールはこの時の負傷が原因で帰還チップの入った左腕を失い義手となり、かつ脊髄損傷により痛みを感じない体になってしまいます。
ですが「勝利か死か」がルールの格闘トーナメントの優勝者だけあり戦闘もかなりの腕前で、年齢を感じさせない筋肉質な体です。
重火器も自在に使いこなし、ハーレイのピンチには颯爽と駆けつけます!
(特にjohn timms(ジョン・ティムス)というアーティストの描くレッドツールの絵がめちゃくちゃカッコイイので、是非一度見て頂きたいです)
ちなみに最初は私も一発屋のキャラクターかと思っていたのですが、結構息が長く現行のThe Rebirth版「Harley Quinn」を下敷きにした未来の世界「OLD LADY HARLeY」にも登場しています。
ハーレイのことが好きすぎてたまらない!レッドツールの恋の行方
そんなレッドツールですが、現在はハーレイ・クインの経営するアパートに身を寄せ、彼女の頼れる仲間の一人として友人ポジションに収まっています。
上にも書いたようにレッドツールはかなり強いので、何かトラブルがあれば外せない主戦力の一人です。
普段はどちらかと言うとコメディリリーフ的な立ち位置ですが、いざ戦闘となるとこれが恐ろしく強い!
そんなかなりのイロモノ感&マイナー感が強いレッドツールですが、全体的に見て読者の好感度は高いと思います。
なんと言っても腕が立ちますし、何より性格が優しいからです。
初登場からのアプローチこそかなりぶっ飛んでいたものの、ハーレイ・クインの内面を理解し、真剣に寄り添おうとする所など、見た目とは裏腹にかなりの紳士!
実はハーレイ・クインには他にも恋人候補が何人かいるのですが、私としてはジョーカーを別とすれば断然レッドツール推しです(笑)
ところで以前から気になっていたんですが、もともとハーレイ・クインの好みのタイプってマッチョなイケメンタイプなんですよね。
アーカム・アサイラムの個室の壁にボディビルダーの写真が貼ってあったり、他のストーリーでも好きになる男性のタイプは筋肉質でイケメンなキャラが多い気がします。
それがどうしてあんなにジョーカーにメロメロになってしまったのか、ホント不思議ですよね。
(やっぱりあれは洗脳の一種だったのかも・・・?)
もはやハーレイのサイドキック?レッドツールが登場するコミックス
以下はレッドツールが登場する翻訳版コミックスの紹介です。
収録されているコミックス毎に簡単な解説を書いていきますので、良ければ参考にしてください。
ハーレイ・クイン:ブラック・ホワイト&レッド
ShoPro Booksから出版されたTHE NEW 52版「ハーレイ・クイン」シリーズの最終巻です。
この本でレッドツールが初登場し、信じられない方法でハーレイ・クインにアタックしてきます。
そのあまりの手口に流石のハーレイ・クインも始終驚きっぱなしです!(笑)
ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン
ここからは、DC REBIRTH版「ハーレイ・クイン」シリーズがスタートします。
この本でレッドツールは、突如起こった異星人によるパンデミックにより街中に溢れたゾンビ達と戦ったり、仲の良かった郵便配達人を襲った犯人に近づくためパンクロックを始めたハーレイ・クインに付き合ってベースを弾いたりしています。
「ちょっと何言ってるかわからない・・・」と思うかもしれませんが、実はこの襲撃犯の事件は後のストーリーの伏線になっているのです。
ハーレイ・クイン:ジョーカー・ラヴス・ハーレイ
事件の影にちらつくジョーカーの存在に過去を思い出し、ハーレイ・クインは精神的に不安定になってしまいます。
気分を変えようと出かけたアイビーとの旅行でも心は癒えず、妙な悪夢にうなされる毎日。
その後、本当に姿を現したジョーカーと、彼の態度の変化に戸惑うハーレイ・クインですが・・・。
レッドツールはそんなハーレイ・クインを励まし元気づけようとしたり、不穏な動きを見せるジョーカーからハーレイ・クインを守ろうと密かに動いたりとかなり頑張ります。
ちなみにこの物語は意外な結末を迎える事になるので、伏線をきちんと回収したい方はTHE NEW 52のシリーズを一番最初から読むことをお勧めします。
残念ながら、DC REBIRTH版の「Harley Quinn」シリーズは現在翻訳が止まってしまっています。
もちろん原書版は続々と刊行されていますので、私としては「むしろここからが面白いのに!」と歯がゆい気持ちでいっぱいなのですが。
今後再び翻訳版の出版が再開される事を祈るばかりですね。
この記事を読んでレッドツールが気になった方は、是非コミックスを読んでレッドツールの活躍をその目で確かめてください!
最初はハーレイと同じく「なにコイツ・・・」と思うかもしれませんが、読み続けるにつれ「オマエ、イイヤツやん・・・」ときっと彼の事を好きになると思います。
特にアーカム・アサイラムに収容されているはずのジョーカーが、突如ハーレイ・クインの前に姿を現した時の2人の対決は見ものですよ!
それでは、今回はこのへんで。