元祖ブロマンスの2人が悪を討つ!映画「グリーンホーネット」の復活

皆さんは緑のヒーローと聞いて誰を思い浮かべますか?

DCファンなら間違いなく、グリーンランタングリーンアロー辺りが思い浮かぶと思いますが、グリーンなヒーローと言えば実はもう一人、グリーンホーネットというヒーローが存在します。

グリーンホーネットとは、武術の達人であるサイドキックのカトーと共に、街を悪から守るため戦う超古典的ヒーローです。

さらにこのグリーンホーネット、DC作品ではないものの各媒体でバットマンと共演するなど、実は意外と共通点が多かったりします。

この記事では、そんな元祖ブロマンスなヒーローグリーンホーネットについて、2011年に公開された映画の内容も含めて解説します!

実はバットマンよりも先輩!グリーンホーネットの歴史

グリーンホーネットの歴史は1936年まで遡ります。

バットマンの初登場が1939年ですから、彼よりも少し先輩ですね。

ただしグリーンホーネットの場合は、最初はコミックスではなくフランシス・ハミルトン・ストライカー脚本のラジオドラマとしてスタートしました。

ちなみにこのストライカーさんは、過去に同じくマスクヒーローが主人公の「ローンレンジャー」という作品も手掛けており、若い頃の写真を見ると超男前です!

(ためしに、”Fran Striker 画像”でGoogle検索してみてください)

このラジオドラマは1936年から1952年までなんと約16年間も続き、その後世界各地で3度の映画化、テレビドラマ化、コミカライズなどなどメディアミックスされてきました。

特に1966年から1967年まで放送されたテレビシリーズでは、カトーを若き日のブルース・リーが演じており、彼の出世作とも言われています。

Nico
Nico

構えがまんまブルース・リーww

劇中にクラシック音楽が多く使われているのも特徴で、ニコライ・リムスキー=コルサコフ作曲の「熊蜂の飛行」は、主題歌として使われています。

それではここで、主要人物であるグリーンホーネットとカトーについての概要をご説明しましょう。

 

グリーンホーネット(ブリッド・リード)

グリーンホーネットの正体は、大手新聞社デイリーセンチネルを経営する社長ブリッド・リードです。

世を忍ぶため表向きは軽薄なプレイボーイを装っていますが、昼の顔とは裏腹に、夜になると助手のカトーを伴って悪を討つため街に繰り出します。

警察も市民も悪党たちですら、皆がグリーンホーネットの事を犯罪者だとみなしており、それを逆手に取ってグリーンホーネットは様々な悪に近づき立ち向かうのです。

悪党退治に向かう際、カトーにかける「Let’s Roll, Kato!(出発だカトー!)」は、グリーンホーネットの決め台詞となっています。

スーパーマンのような特殊能力はありませんが、相手を瞬時に眠らせるガス・ガンなどガジェットを使用して戦います。

またブリッド・リードは、実は前述した「ローンレンジャー」の主人公ジョン・リードの親戚という裏設定もあります。

ちなみにホーネット(hornet)とは、英語でスズメバチの事です。

カトー

カトーはカンフー(媒体によっては空手の説も)の達人であり、グリーンホーネットのサイドキック兼運転手です。

媒体によっては忠実な使用人または、高度なスキルを持つエンジニアとしても描かれており、後述する2011年の映画では様々な武器や乗り物を彼一人で作り上げています。

バットマンでいう所の、ロビンとアルフレッドを足して2で割ったような役どころですね。

グリーンホーネットことブリッド・リードとは、主従を超えた強い友情と信頼関係で結ばれており、常に彼に付き従い行動を補佐します。

長い歴史の中でカトーの国籍は日本人、フィリピン人、韓国人と移り変わってきましたが、それは当時の政治的事情が反映されていたためです。

名前はカトーなので変な感じですが、作中では割と「ケイトー」と発音される事が多いです。

既にもう何人なんだか分からなくなって来ていますが、ブルース・リーや後述のジェイ・チョウ(周杰倫)のイメージも相まって、近年はだいたい中国系という事で統一されています。

Nico
Nico

カトーの運転するブラックビューティー号がめちゃくちゃカッコイイのです!

余談ですが、映画やアメコミでよくヒーローが身に着けている顔の目元部分を覆うマスクを「カトーマスク」と言い、その語源はこのカトーからきています。

グリーンホーネットは近年になってもコミックスが発売されており、一番新しいものが2017年にDynamite Entertainment社より出版されています。(画像左)

またこれ以外にも、ブリッドの息子とカトーの娘がタッグを組む所謂「2世モノ」も制作されるなど、今なお人々に愛され続けているヒーローである事がわかります。(画像右)

             

実は似た者同士?グリーンホーネットとバットマンの共通点

さてこのグリーンホーネットですが、設定を見て誰かに似ていると思いませんか?

①正体がお金持ち
②顔をマスクで覆っている
③特に特殊能力は無いが、ガジェット等を駆使して戦う
④様々な改造を施した黒い車に乗っている
⑤腕の立つサイドキックがいる
⑥プレイボーイ etc…

そう、グリーンホーネットはバットマンとめちゃくちゃ設定が被っているのです(笑)

特にドラマシリーズに至っては、1966年から1968年まで放映されていたドラマ版「バットマン」と丁度同じ時期に放映されていた事になります。

そんな訳で共通点が多いからかは分かりませんが、まったくの別版権であるにも関わらず、ドラマ版「バットマン」にグリーンホーネットがゲスト出演したり、二人が共闘するストーリーがコミックス化されるなどしています。

どうやらドラマの制作会社が同じだから実現したエピソードのようですが、両方のファンに配慮してか、この話のなかでグリーンホーネットVSバットマン、カトーVSロビンの戦いはそれぞれ引き分けになっています。


第51話「グリーンが町にやってきた」
珍しい切手の偽造組織を捕らえるため、バットマンとロビン、そしてグリーン・ホーネット(ヴァン・ウィリアムズ)とカトー(ブルース・リー)が、切手工場で鉢合わせする。そしてお互いの目的が同じであることに気づくも時すでに遅し、正義の味方たちは切手にされようとしていた。

1967年ドラマでの共演から数十年。
宝石を満載した列車をハイジャックした敵を倒すため、再びバットマン&ロビンとグリーンホーネット&カトー達が共闘する!

こちらも、グリーンホーネットとバットマンの共演を見る事ができる貴重な本です。

2015年にDCより発売されたこちらのコミックスは、現在グリーンホーネットの版権を所有しているダイナマイトコミックス社と共同出版されています。

キャラクターを一新しリブートされた映画「グリーンホーネット」

あらすじ

 ロサンゼルスの新聞社デイリーセンチネルの社長子息であるブリッド・リードは、毎日放蕩の限りを尽くしていたが、急死した父に代わり突如会社を継ぐことになる。
 経営には全く興味がないブリッドだったが、ある事が切欠で父親の元使用人カトーと意気投合し、2人で正義のために人助けをする事を思いつく。
 緑のコートとマスクで正体を隠し、謎の悪党「グリーンホーネット」となったブリッドは、カトーを伴いロサンゼルスの巨悪に近づくため、夜な夜な「悪党退治」をするのだった。
 一方、ロサンゼルスの裏社会を仕切るチュドノフスキーは、グリーンホーネットの襲撃に日に日に怒りを募らせていき・・・。

登場人物

ブリッド・リード

母親と早くに死に別れ、父親とも険悪な関係のまま大人になった為か、自己中心的で子供っぽい性格の御曹司です。

美人に目がなく毎夜パーティー三昧の日々を送っていましたが、父親の突然死により会社を継ぐことを余儀なくされます。

自分の「正義」を否定した父親が死後に偉人として祭り上げられる事への反抗心から、いたずらのためカトーと共に墓地に忍び込みましたが、その帰り道偶然にもカップルをストリートギャングから助けた事で、真の「正義のヒーロー」になる決意をします。

自社の新聞を使いグリーンホーネットを「最高の悪党」として売り出すことで、悪党と戦う悪党(ダークヒーロー)を目指します。

カトー

リード家の元使用人です。

一度はブリッドにクビにされたものの呼び戻され、元雇用主(ブリッドの父親)の悪口を言い合う事でブリッドと意気投合します。

車や武器、コーヒーマシンまで自力で作れてしまう天才で、また孤児として生きてきた経緯から喧嘩慣れしており武術の達人でもあります。

ブリッドがグリーンホーネットとしてヒーロー活動をするのを助けるため、武器を満載したブラックビューティー号や、ホーネット・ガンなどを作成し、ブリッドのピンチを何度も救います。

自分の才能を認めてくれたブリッドを気に入り、互いを「兄弟(ションディー)」と呼び合うまでになります。

レノア・ケース

ブリッドに新しく雇われた秘書です。

臨時派遣のはずが、ブリッドに一目で気に入られ正社員となります。

美人なだけでなくジャーナリズムや犯罪学を学んだ秀才で、自分自身でも気づかないうちに、彼女のグリーンホーネットに関する分析がブリッド達の行動指針となってしまいます。

ブリッドとカトーの両方に言い寄られていますが、まったくなびく様子はなく、事あるごとに二人を叱りつける気の強さを持ちます。

ちなみにこのレノアも、ブリッドの秘書としてラジオドラマ時代から登場しています。

レノアを演じるのは、大物女優キャメロン・ディアスです!

ベンジャミン・チュドノフスキー

ロサンゼルスの犯罪を裏で操るギャングのボスです。

自信のシマを荒らす勢力には容赦せず、また長年の部下であっても意に沿わない者はアッサリ殺す冷血漢です。

ただし、自分のファッションにイマイチ自信が無いのか、後半で大胆なイメチェンを図ります。

正体の分からないグリーンホーネットを警戒し、なんとしても抹殺しようとします。

ジェイムス・リード

ブリッドの父親であり、カトーの元雇い主です。

世間に認められるビジネスの成功者で、ロサンゼルスで唯一の家族経営であるデイリーセンチネル社を成功に導きました。

反面、仕事に邁進する一方で、母親のいないブリッドに厳しくあたり続けた事から、息子との間に溝を作ったまま急死してしまいます。

フランク・スカンロン

ロサンゼルスの検事で、街の犯罪撲滅を公約に掲げています。

生前のジェイムズとも親しく、父親を亡くしたブリッドに同情し「いつでも力になる」と声をかけます。

ですが、彼には裏の顔があり・・・。

感想

前評判がイマイチだったので正直見るまでは微妙かなと思っていたのですが、意外や意外、気が付くともう5回くらい見てしまっています(笑)

やってる事はバットマンとそんなに変わらないはずなのですが、こちらは主演がセス・ローゲンという事もあり、ヒーローも悪役も皆コミカル!

ブリッドの財力とカトーの才能をこれでもかと投資し、カッコイイ車にいかした武器など、大人が全力で子供の頃の夢を叶えたらこうなるみたいなワクワク感がありました。

過去のラジオドラマやテレビなどと比べるとかなりお馬鹿感がアップしている印象は拭えませんが、私はこれはあえてこうしたのではないかと思っています。

主演と製作総指揮が「ザ・ボーイズ」や「宇宙人ポール」などで活躍するコメディ俳優のセス・ローゲンという事もあり、ローゲン版ブリッドも全然アリ!

わざと明るく楽しい雰囲気にすることで、映画と言う媒体で昔の少年活劇的な雰囲気を楽しめる作品に仕上がっています。

また、カトーを演じるのは「アジアで最も影響力のある人物25人」に選ばれるなど、台湾で俳優や歌手などマルチに活躍するジェイ・チョウです。

ジェイは本作品の主題歌も歌っており、得意のピアノを披露するシーンもあります。

そしてなんと言っても、ヒロインのレノアがあのキャメロン・ディアスです!

ところがこのキャメロン演じるレノアが、まったくと言って良いほどストーリーの本筋に絡んでこないのです。

これだけの大物女優を持ってきて、作中ほとんど蚊帳の外というもったいなさ(笑)

ブリッドもカトーもレノアにメロメロ(死語)になりますし、実際それが原因で中盤険悪な雰囲気にもなります。

ですが当のレノア自身はどちらにも興味がないうえ、2人の正体を知るのすら終盤も終盤、なんと事件解決後です。

普通こういう作品だと、美女現る→敵に目を付けられピンチに陥る→ヒーロー助けにいく→「ええ!あなたがグリーンホーネットの正体だったの!?」みたいな流れじゃないですか。

そういった所をまったく無視して、ひたすらブリッドとカトーの友情にフォーカスしているあたり、時代だなあと思いました。

ですが、作中でクラシック音楽や車の登場シーン、ブルース・リーの絵など往年のファンに刺さるものをちょこちょこ登場させるあたり、過去作品へのリスペクトも感じさせます。

ちなみにスカンロンを演じた俳優デヴィッド・ハーバーは、近年は2019年公開「ヘルボーイ」の主人公ヘルボーイや、2020年公開「ブラックウィドウ」のアレクセイ役など、アメコミ映画で大活躍しています。

大出世ですね!

また、映画音楽を手掛けたのはあの映画「バットマン・ビギンズ」の音楽を手掛けた、ジェームズ・ニュートン・ハワードです。

古典ヒーロー復活なるか!?制作会社が映画化権を獲得

そんなグリーンホーネットですが、実は最近アメリカの映画製作会社Amasia Entertainmentが、映画化権を獲得したというニュースが流れました。

この会社の社長は元マーベルスタジオの社長さんで、この古典ヒーローを新たに映画化する意欲に燃えているそうです!

2011年の映画化からこれまで、様々な企画が立ちあがっては消えてきたグリーンホーネットですが、とうとうグリーンホーネットとカトーの新たな活躍が見られる日も近いかもしれませんね!

それでは今回はこのへんで。